第1話 水Part1

皆様、お仕事の調子はいかがですか。
ちょっと休憩で飲む、一杯の水。この水のお話です。

飲料水の主な化学組成は、一般にCaとMgの重炭酸塩およびNaClの混合水溶液であると考える事ができる。 即ち、水の硬度を決めるCaとMgは、炭酸の化学風化作用によって、岩石ないし土壌より溶出されたものである。 日本の様に硬度が低いのに対し、ヨーロッパの水の硬度が一般に高いのは、その地質に白亜紀の石灰岩層が多く 分布し、そして地形が平野や丘陵地が多くて、水の流れが遅い事によっている。

水質とは、水温、そして各種の溶存成分の種類と量などの諸因子が総合されたものである。 水温は重要因子で体温よりも20~25℃低い水温、即ち10~17℃が適温であり、平均14℃程度がよい事になる。 我が国の浅層地下水の水温は年間ほぼ一定で、その適温に対応している。山の湧水がおいしいのもそれによる。 臭覚は化学的に極めて高感度な感覚である。水の臭気には、不自然さがないことが必須である。
味覚に付いては、硬度が高すぎるとしつこい味がするし、低すぎるとコクの無い水になる。 適量は20~100ppmであり、最適は50ppmとしておきましょう。
Caは味を良くする成分であり、一方、Mgは苦味を出します。
その他としては、Naでは適量として3~12ppmであり、その最適は8ppmほどでしょう。Clの適量は、Naと当量 であるとして、5~18ppmであり最適は12ppmほどでしょう。

おいしい水の要件として、Ca・Mg(HCO3)2とNaClのモル比が4:1、そしてCa:Mgが3:1ないし4:1程度 と考えています。 珪酸は水の味をおいしくする成分であるとする説もあるが、その適量は40ppm以下であり、その最適は30ppm ほどでありましょう。
以上の溶存成分の合計量は、いわゆるミネラルと呼ばれる物のほぼ総量に相当し、蒸発残留物量に相当する。 その適量は50~200ppmであり、その最適は100ppmほどと思っております。

この諸条件から水の最適効果利用方法として、緑茶や紅茶には、これらの茶葉のテアニンやグルタミン酸などの甘味及びうま味成分の溶出をよくし、 紅茶の酸化タンニンの美しい赤色を保ってくれるので、軟水が向いている。

ウーロン茶は、半発酵・高温加工し、強い香りを沸騰水により、引き出すように飲むもので大陸平野部 (北中国)のような悪い水でも良いのです。

コーヒーには、タンニン系の苦味成分の溶出を押さえる為に、やや硬い水が良いとされています。

水中の炭酸は、水に新鮮さを与え、舌や胃の神経を刺激し、そして消化液の分泌を促進する作用がある。 その適量は20~30ppmであり、その最適は25ppmほどでしょう。HCO3とCO2の溶存量が決まればpHが決まる。
ゆえにpHの適量は6.7~7.5であり、最適は6.7ほどでしょう。 その他、通気性が良い事、鉄分が少ない事(20pob以下)、CODが1ppm以下である事、そして人為的汚染物 がない事などが良い水の要件であります。
以上のような諸要件のほかに、長年にわたってその水に日常慣れている事も重要であり、その様な慣れが 味覚の個人差を生じる要因になると考えます。

今日の都会の上水道にこれらを求めるのは、無理・贅沢なのかも知れないがコンビニでミネラルウォーター がよく買われている今、たかが水、されど水、であるのではないかと思う小生であります。

以上新たな事柄につづく

引用(化学と工業より)

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