++社長の小部屋 ++
第33話 語源探索2

ひさびさに語源を探しました。

先日「えこひいき」だと会話に出たおり、「えこひいきてどう言う意味?」との問いを受けたのですが、正確に回答出来ませんでした。
その教訓から「えこひいき」・「うやむや」と「意味も語源も多分こうだろう」と解かっているが「正確には」と思われる言葉を調べました。
トリビアでは無いですが普段使っていても「へー」と思うものです。「なんヘー」を頂けますか。


【ワリカン】
喫茶店の支払などの総額を、頭数で均等に割って支払うこと。「割前勘定(わりまえかんじょう)」の略語。
【ピンからキリまで】
最上のものから最低のものまでの意。ピンはポルトガル語の「pinta(点)」の略で、カードやサイコロの目などの数字の1のことで、キリはポルトガル語の「cruz(十字架)」のなまったもので、数字の10のことである。本来はピンが最低でキリが最高点だが、現在では逆の意味に使われている。
【夕立】
夏の夕方に降るにわか雨のこと。もとは夕方に降る雨だけをさすものではなく、平安時代までは「急に空が暗くなって夕方のようになること」を夕立といっていた。しかし、空が暗くなるほどの雨の多くは、夏の夕方の雷雨であることから、現在の意味になったとされている。
【えこひいき】
人を好き嫌いによって差別して扱うこと。もともとは、仏教用語である「依古」と「贔屓」がくっついたことばで、「仏はすがってくる人びとをすべて救う」という意味。「南無阿弥陀仏」という念仏を唱える者はすべて阿弥陀様に助けられて極楽浄土に行けるという浄土宗や浄土真宗の考えを、他の宗派の者が、仏様が念仏を唱えるものだけを「えこひいき」していると非難したことから現在の意味に使われるようになった。
【お年玉】
新年に子供に与えるおこづかいのこと。鏡もちは、「御歳神」へのお供え物である。正月が過ぎると、この神さまに供えたおもちを、これからの一家を担う子どもたちに食べさせる風習があった。このおもちには、御歳神の魂がこめられているとされ、このおさがりのおもちを「御歳魂(おとしだま)」と呼んでいた。ところが、子どもたちがおもちでは喜ばなくなってきたために、おもちの代わりにお金を与える風習が広まったとされている。
【板に付く】
「板」とは、芝居の舞台からきている。役者も、駆け出しの頃はおぼつかない感じで危なっかしいですが、経験をつむうちに、舞台を踏む足もしっかりし、芸も、芝居の雰囲気に自然になじみ、舞台と、しっくり合うようになる。そこで、そこで、安心して見ていられるようになることを 「板につく」というようになった。
【イチかバチか】
語源は二つあり、一つは「サイコロの目が一と出るかしくじるか」という意味の「一か罰か」がなまった説。もう一つの説は、「丁」と「半」という漢字のそれぞれ上半分をとった「一か八か」が語源だという説。
【有頂天】
ルーツは仏教用語。世界を3つに分ける考え方に基づく。3つとは欲望を持つ者が住む欲界(我々の世界)、欲望のないが肉体が残っている色界、物質の存在しない無色界。そのうちの色界の最も頂上を「有頂天」と言う。そこで、一番上までのぼりつめる事を「有頂天」と言い、さらにその得意になった様子も「有頂天」と言うようになった。
【うやむや 】
「あるのか、ないのか」の「ありや、なしや」を漢字にすると「有耶無耶」となる。これを音読みしたのが「うやむや」。
【ウンともスンとも 】
江戸時代の初め、ポルトガル人が伝えたものに「ウンスンカルタ」という遊びがある。遊び方は現在の花札に似ているが、年を経るにしたがって、だんだん博打に使われるようになった。「ウン」は一、「スン」は最高を意味する。のちに、天正カルタが大流行し、ウンスンカルタはすたれてしまう。天正カルタが流行ると、誰も「ウンともスンとも」言う人がいなくなったというわけで、出来た言葉。何にも言わない無言状態を示す時に使う。
【えたいが知れない 】
「えたい」を漢字にすると「衣体」。平安朝時代には、着ている衣の色で宗派と格式を区別していて、一見しただけで、宗旨や地位がわかった。こうした事が「衣体がしれない」という言葉が、当時、生まれた。
【おあいそ】
もともとお店をお客が帰る時に、店側が「サービスが足りなかったのでは」と気を遣った「お愛想なしで申し訳ございません」と言っていたのだが、そのうちに「おあいそ」が勘定を示す言葉になり、お客が使うようになったとされる。
【おおやけ】
「おお」は「大きい」ことで、「やけ」は家屋敷の事。元々、「おおやけ」は「大きな家」の事だった。
【お蔵になる 】
興行や演目などの企画案が中止になり、お蔵にしまいこむ意から来ているという説と、無事に千秋楽(らく)までいかずに、中途で終わることから、「らく」を逆さまことばにして「くら」だという説がある。
【おじゃんになる 】
火事の時に打ち鳴らす半鐘の音に由来する。火事が起きると半鐘を鳴らして危険を知らせたが、鎮火すると半鐘を二度、「ジャンジャン」と鳴らすのが決まりだった。そこから、火事はもうおしまいだ、を「ジャンジャン」といい、やがて「ジャン」に略されるとともに、「おしまい」の意味が強調されて、今の用法になった。
【乙な味 】
「乙」は乙な調子からきた言葉。人間の声は、だいたい二オクターブくらいの音域だが、高い方を「甲」の調子、低い方を「乙」の調子と言ってた。江戸時代、三味線で合わせて歌うとき、芸歴の長い老人などは非常に味わいのある渋い声だったので、そこから微妙な味わいのあるものを「乙な味だ」というようになった。

【おけらになる 】
直翅目(ちょくしもく)ケラ科の昆虫ケラに由来する言葉。地中に穴を掘って巣を作るが、土を掘る前足は短くて、前から見ると万歳をしているように見えることから、「お手上げ」を連想して「おけら」というようになったもの。

「漠然と解かっているが正確には」と言うものを選びました。又次回を

新たな事柄につづく

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