研究室情報

環境ホルモンと認定されたノニルフェノールについて

数年前から水生生物のホルモン異常として原因物質とされていた「ノニルフェノール」が世界に先駆けて「環境ホルモン」とし異常の原因物質で有ると認定されました。
弊社「ケイポール洗剤」の製品の中で、特殊用途で使用する製品ですが、指定物質を含有している商品が数点ありましたが、対応を済ませております。
今回はノニルフェノールに関する情報をお知らせしたいと思います。

基本的な情報

室温では無色ないしは淡黄色の粘性の液体で淡いフェノール臭を有する物質で、界面活性剤、エチルセルロースの安定剤、油溶性フェノール樹脂、エステル類、マンニッヒ塩基などの窒素を含む中間物の合成原料、殺虫剤、殺菌剤、防かび剤、洗剤、油性ワニス、ゴム助剤及び加硫促進剤、石油系製品の酸化防止剤及び腐食防止剤並びに石油類のスラッジ生成防止剤等に用いられる。界面活性剤の分解生成物として生じることもある。

性質

水には極めて溶けにくく、有機溶剤には可溶

毒性

動物実験では皮膚及び眼に対する刺激性は強い。毒性の詳細は明らかでないが、フェノール様の作用があると推定されている。またアルキルフェノールが白斑黒皮症原因物質となることと関連して、同様の作用がある可能性が考えられている。

用途

第1次用途 : 界面活性剤(アニオン活性剤、非イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤)、エチルセルロースの安定剤、油溶性フェノール樹脂、エステル類、マンニッヒ塩基など含窒中間物の合成原料、殺虫剤、殺菌剤、防カビ剤
第2次用途 : 洗剤、油性ワニス、ゴム助剤および加硫促進剤、石油系製品の酸化防止剤および腐食防止剤、石油類のスラッジ生成防止剤

人や動物への影響に関する情報

野生生物への影響

イギリスでニジマス等のメス化が確認されており、女性ホルモンとともにその原因物質としての疑いがもたれている。

人への影響

報告なし

in vitro(細胞レベル)

ニジマスの肝細胞を用いエストロゲン作用を評価したところ、弱いエストロゲン作用を示したとの報告がある。
人:乳ガン細胞の増殖を促進するとの報告がある。

in vivo (動物実験レベル(種・時期))

ラットに曝露したところ乳腺において細胞増殖を誘発し、同時に細胞周期を変化させたとの報告がある。

ケイポール洗剤の新情報

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