あたまの休息所

    第二十二話  2002.8.1
   

夏です!夏といえば水。海水浴・スイカ・金魚・魚釣り・打ち水そして行水!良いですね、垣根越しに覗き見るのも。
話をそらさず学術的な水の話を。

   
   

身近な水のお話

 毎日水を飲むことを習慣づける上で、飲むタイミングと同じくらい大切なのが、どんな水を飲むかです。 
最も"体にいい水"は〈ナチュラルミネラルウォーター〉である。しかし〈ナチュラルミネラルウォーター〉なら何でもいいというわけではありません。
水分の補給だけが目的なら軟水でもいいのですが、同時にミネラルを補給したいのであればカルシウムやマグネシウムをバランスよく含んだ硬水を飲むべきです。ただし硬水には独特のクセがありますから、飲みにくいと感じる人もいるでしょう。

ですから、これから少しずつ正しい水の飲み方を実践していこうというビギナーなら、硬度100〜300くらいの中硬水から始めることをおすすめします。
まずは近くのスーパーで、ラベルに書かれたカルシウムとマグネシウムの数値を参考に、数種類の"中硬水ミネラルウォーター"を買ってきて下さい。そして実際に飲み比べてみておいしいと思うものを選びましょう。
 もしあなたが、これからダイエットに取り組みたい、あるいは出産をひかえてカルシウム補給をしたい、といった具体的な目的を持っているなら、思いきって硬度300以上の硬水を飲むのもいいでしょう。ヨーロッパ産のミネラルウォーターの中には、日本の水の数十倍ものカルシウム、マグネシウムを含む水もあります。
ただ日本人が飲み慣れていない硬水をいきなり大量に飲むと、腸が驚いて下痢をする場合もあります、それは気をつけて下さい。
これらのミネラルウォーターを飲む際に注意したいのは、ボトルに直接口をつけないこと。口をつけると口内の雑菌がボトルの中で繁殖する恐れがあるからです。特に大きなペットボトルの場合は、必ずコップに注いでから飲むようにして下さい。最近は小さいボトルを持ち歩いて飲む人をよく見かけますが、この場合は雑菌が繁殖しない数時間のうちに飲み切ってしまうことが肝心です。 
そしてもうひとつ、ミネラルウォーターをあまり冷やしすぎないことも大切。冷たい水分を一気に飲むと、その刺激で血管が収縮し胃や腸管のはたらきが鈍ってしまうことがあるからです。真夏や入浴後であれば、キンキンに冷やした水をゴクゴク飲みたくなるでしょうが、冷蔵庫からペットボトルを取り出してもすぐに飲んだりせず、適量をコップに注いで、しばらく時間を置いてから飲むことを心がけて下さい。

 

一番風呂の恐怖

昔から「一番風呂」は、お父さんが入るものと相場が決まっていました。しかし今では、生活時間のずれなどから順番などどうでもよくなり,時間的に都合のよい順番にはいることが多いようです。 そもそも一番風呂は、新しいサラの湯のため一家の大黒柱がまず入るというものでした。 ところが、現代ではこの習慣は"早死に"を勧めているようなものです。というのも、水道水には次亜塩素をはじめとする、様々な毒性のある化学成分が多く含まれているからです。すぐに発ガンしたり,病気になるような量ではないものの、長い時間浴び続ければ,まして一番風呂ではこれらの成分を一身に受けているようなものです。せっかくお風呂に入ってさっぱりし、お肌もしっとりさせたいのに、これでは逆効果です。

直接のお風呂の恐怖

40度近い熱い湯に浸かると,全身の皮膚がピリピリとした刺激を受けます。これは体温より高い湯だからピリピリすると思っている人が多いかもしれませんが、その大半は次亜塩素の第一刺激なのです。暖められた次亜塩素が皮膚の蛋白質と結びつき、皮膚を荒らしていきます。それが、ピリピリとした刺激として感じられるのです。 水道水そのままのお風呂に10分間入って,上がった直後と10分後の皮膚水分を計ると,わずか10分の間に73%もの水分が蒸発してしまったのです。そんな状態ですから、皮膚はカサついてしまい,しっとりするはずもありません。 これを防ぐには、まず水道水の次亜塩素を取り除くことです。そして出来れば、お風呂で使う湯も浄水したいものです。普通の浄水器では、お湯対応型のものが少ないので,シャワー用のお湯対応次亜塩素除去型の浄水器・お湯対応型の浄水器の使用をお勧めします。

シャワー用の浄水器をつけて塩素を除去することは、非常に重要なことです。新しい湯が一番きれいだと思い込んでいる人はシャワーを多用しますが,実は一番風呂よりももっと厄介なものなのです。熱い湯が一カ所に当たりますから,ピリピリ感がもっと増します。外国の文献では、このシャワーの塩素は陰部に当てることで98%もの高率で吸収されると報告され、問題にされている事実でもあります。

薬湯

お風呂を快適にするお湯の状態は、体を温め、皮膚を滑らかにし、皮膚の保湿性もよく、肌にとってきわめてよい状態のお湯ということになります。さらに、アトピー性皮膚炎の人には、お風呂のお湯の中にヨードを5ml程度加えるとよいでしょう。皮膚が荒れやすい人もお試しください。ミネラル・ヨード風呂は温泉と同じような効果を持ちますので、家庭で温泉効果を得ることが出来ます。暖まりやすく、湯冷めしない風呂が簡単に出来ます。ただ、入れすぎると赤茶色が落ちなくなりますので入れる量は注意してください。 ヨードを使う場合は、色が気になる方はレモンやミカンの皮などを袋に入れてお湯の中に吊しておけば、色も気にならずレモン風呂も楽しむことが出来ます。 そのほか,様々な薬効を期待したい場合は、ドクダミの葉、ゲンノショウコ,クコ,マタタビなどを袋に入れてお湯に吊せば薬草風呂になります。 水道水をただ沸かして湯にしただけでは、"不健康増進の湯"でしかありません。清潔好きの日本人としては毎日のように楽しむお風呂ですから、ほんの少し手を加え,肌にとっても、健康のためにもより良いお湯にしたいものです。

.水を冷やして飲む!

水を12〜14度,あるいはもっと10度ぐらいまで冷やして飲めば、水道水でもぐっとおいしくなります。普通に健康な人であれば、0.4ppmぐらいでは異臭を感じることはありません。特に冷やして飲めば、0.6〜0.7ppmでも、水温さえ低ければ、塩素臭を感じる人はいません。おいしい水の条件は、まず、水温が低いことです。具体的には、冷蔵庫で冷やして飲むのはもちろんですが、コップの水に氷を2〜3かけらうかべれば同じ効果があります。逆にどんな銘水でも生ぬるくしてしまったら味は台無しです。

木炭や活性炭を使用する。

カビ臭さを消すには、木炭や活性炭を利用する。よく洗浄した木炭か,あるいは活性炭をガーゼまたは木綿の袋に詰め水に数分間浸す。活性炭は、市販されている木炭よりずっと効果があります。

.レモンの汁をたらす。

塩素臭を消すのには、レモンの汁を数滴たらすと良い。

お茶の葉を落とす。

レモンと同じく,塩素臭を取り除くのにお茶の葉を水に数枚浮かべると有効。

浄水器を使用する。

家庭で日常的においしい水を飲むには、家庭用浄水器を利用する。または、ボトルやパック詰めの市販の水を利用する。

.体調・心理状態

最後に、知っておきたいのは、飲む人の健康状態や心理状態によっても左右されるということです。いくら水の理化学的な条件がどうであれ,要は、飲む人当人にかかっています。体調はもちろん,胃腸病・心臓病・腎臓病にかかっていないことが望まれます。一般的にいえば、あまり満腹状態では、水のおいしさは十分に味わえません。

人間がおいしく感じる水は、やはり自然の泉から湧き出た水であり、昔からおいしいといわれたおいしい水やミネラルウォーターが各社から売り出されているわけです。(ミネラルとは、カルシウム、マグネシウムやナトリウム、カリウム、鉄など水に溶けている鉱物質をいいます。) そこで厚生省で決められたおいしい水の条件を紹介します。

おいしい水 水道水 備 考
蒸発残留物 30〜200mg/l 500mg/l以下
硬度 10〜100mg/l   300mg/l以下 ミネラルの量
塩素Cl-  200mg/l
遊離炭酸 3〜30mg/l
残留塩素 0.4mg/l以下  0.1(遊離)0.4(結合) mg/l以上 水道水には殺菌の為塩素を入れる。
臭気度  3以下 異常でない事
過マンガン酸カリ消費量 3mg/l以下
水温 20℃以下 10mg/l

導電計で見ると、水道水は導電率が大きいと塩素等の水をまずくする成分が多いということであり、自然水は水をおいしくするミネラル等が多いということです。(参考までに水道水は100〜200μS/cm、おいしい水は400〜700μS/cm程度が多い。)
おいしい水を作るため、家庭用浄水器がいろいろと売られています。活性炭で塩素等をとるものや、炭酸カルシウムでカルシウムを溶出させるもの等いろいろありますが、そのシステムさえ理解していれば、浄水器を通す前と後の導電率を測ることで浄水器がうまく働いているかどうか知ることができます。

硬水と軟水

カルシウムイオン(Ca2 )とマグネシウムイオン(Mg2 )を多く含む水のことを硬水といい、それらが少ない水のことを軟水といいます。
日本の河川水はほとんどの場合軟水ですが、地下水は硬水であることも少なくありません。 硬水の程度は硬度で表わしますが、その決め方は国によってさまざまです。
日本では、100ccの水に含まれる
Ca2+ が酸化カルシウムとして計算され、1mgあるとき硬度1度、
Mg2+ の場合は酸化マグネシウムとして計算され、1mgあるとき硬度1.4とされています。
硬度20度以上の水を硬水、10度以下の水を軟水と呼んでいるわけです。

水道水の使用でおいしく氷を利用するには、 家庭の冷蔵庫で作った氷を溶かしたとき、 水は凍るとき純粋な部分から、また表面から凍ります。このため氷の外側の部分は不純物が少ない。逆に中央の部分は水道水中のイオンや汚染物質が集まりますですから、家庭の氷でジュースやウイスキーを飲むときは氷が完全にとける前に飲むようにすれば、元の味を損なうことなく(多少薄くなるが)おいしく飲めるんです。

宮水

いしいお酒はおいしい水がなければできない。 昔から日本酒を作る条件としては、水、米、気候といわれています。
清酒醸造の水としてとくに有名なものに兵庫県灘の宮水があり、灘発展の技術的要因は、高度精白米と宮水の使用によるといわれています。
宮水の水質表から導電率を計算しますと600μS/cmとなり、宮水がおいしい水であることがうかがわれるわけですが、この宮水は江戸時代、天保11年(1840)、桜正宗の祖、山邑太郎左衛門が発見したと伝えられています。太郎左衛門は醸造する場所による味の違いに着目し、杜氏を交替したり、麹を変えたり、醸造方法を比較したりと、試行錯誤し、ついに味の違いが水であることを発見しました。現在では、宮水等の分析により、どの成分が醸造に対しどのように影響するかが明らかになり、醸造に適した水を使用するところも多くなりましたが、今日なお灘五郷では宮水を利用し、酒質の醇美さを天下に誇っています。
当然ウイスキー、ワイン、ビール等を作る場合も国により、使用する水により、いろいろな味、色があります。
有名なものではミュンヘン型の黒ビールは、硬水を使用しており、ピンゼン型の淡色ビールは軟水を使用しています。

その他に水に関するデーターですが、「だから何に!」と言わないで見てください。


醸造用水の無機成分の比較(数字はppm)

宮水(11種平均)  醸造用水(56種平均)
燐酸 5.2 0.4
カリウム 20 12
マグネシウム 5.6 7.0
カルシウム 37 27
塩素 32 46
ナトリウム 32 32

 

うまい使い方

硬度 使い方 主な製品
50以下 和風だし、お茶、コーヒー ボルヴィック、南アルプスの天然水
50〜100 炊飯、調理全般 六甲のおいしい水
170前後 洋風だし、ウイスキー水割り バルヴェール
300前後 食欲増進の効果あり、食前に飲むとよい エビアン、ペリエ
600以上 運動後のミネラル補給、便秘、ダイエット、 ヴィッテル、サンペレグリノ、コントレックス

分類基準

分  類 品  名 原     水 処 理 方 法
ナチュラルウォーター ナチュラルウォーター 特定水源より採水された地下水 ろ過、沈殿及び加熱殺菌に限る。 
ナチュラルミネラルウォーター 特定水源より採水された地下水のうち、地下で滞留または移動中に無機塩類が溶解したもので、鉱水、鉱泉水など
ミネラルウォーター ミネラルウォーター ナチュラルミネラルウォーターの原水と同じ ろ過、沈殿及び加熱殺菌以外に次に掲げる処理を行ったもの複数の原水の混合、ミネラル分の調整、ばっ気、オゾン殺菌、紫外線殺菌など
ボトルドウォーター ボトルドウォーター又は飲用水 飲用適の水、純水、蒸留水、河川の表流水、水道水など 処理方法の限定はなし 

川の水 普通の人は川の水の色を見て透明な川ほどきれいな水と考えるでしょう。

しかし導電率等検査方法によっては。

飲むだけでなく、洗浄にも大きく影響を与えるですよこれが。

機会があれば、お題「水と洗浄」と言った感じで書きますか。

   
   

以上新たな事柄につづく 株式

   

ケイポール製品の詳細に付いては「ケイポール商品」で御覧ください。


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