あたまの休息所
第十二話 2000.12.4

今年も早25日となりました。

「おめでとう」と思ったら、「暑いな」とうだり、又「おめでとうと」言う時期までになりました。

今年一年、20世紀最後の年と言われ、来年は21世紀となりますので「何か身のある事をと、記念になる事をと」考えましたが只の凡人でありました。ごく普通の年です。

只ホームページと言う遊び道具を手に入れたのは小生にとって有意義な20世紀でありましたが。

本年も皆様にはお世話になり有難く感謝致します。新世紀も宜しくお願い致します。

さて第十二話は、いつくるか判らない、しかし常に用心しなれけばならない地震について考えてみましょう。


地震、他の災害と違うところ、予測がつかない、被害が大きいなど、古来より一番怖い存在です。

地震の仕組みは皆様ご存知でしょうが改めて。

地球全体を覆う岩盤は一様ではなく、十数枚のプレートと呼ばれる大きな断片に分かれており、プレートとプレートの間は割れ目ができている。プレートの厚さは数10kmから 200kmある。

各プレートは年に数センチの速さで移動しており、プレート同士がぶつかって山脈をつくったり、一方のプレートが別のプレートの下に潜り込み、そこに海溝やトラフ (細長い溝状の海底地形、深さ6,000mを超えない) ができている。

ところで、日本列島の相模湾と駿河湾とのあいだの比較的短い距離の海岸線に、北アメリカプレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートという三つのプレートが寄り集まっており、さらにその外側には太平洋プレートが日本海溝、伊豆・小笠原海溝に向かって動いているというまるでジグソーバズルのような複雑な構造になっている。

日本列島の大部分は、東側の北アメリカプレートと西側のユーラシアプレートの上に乗っているが、この二つを押し分ける楔のような形で突っ込んできているのがフィリピン海プレートである。

フィリピン海プレートの先端部に伊豆半島が乗っており、いま地震が多発している三宅島、神津島、新島などは、いずれもこのプレートの上にある。このフィリピン海プレートの先端は、神奈川県の丹沢あたりを北限にして日本列島に真正面からぶつかっているため思うように進めない。そこで左右に拡がるようにして、東側にある北アメリカプレートとの境目にあたる相模トラフ、西側のユーラシアプレートとの境目となっている駿河トラフの下へと沈み込んでいく。この相模トラフと駿河トラフにフィリピン海プレートが下に潜る際、相手のプレートも引きずり込む。そして、それが限界にきたとき、相手のプレートの端が跳ね上がる。これを「たまった歪み」が解放されるという言い方をする。そのときに大きな地震が起きる。

関東に起きる大地震は東側の相模トラフで、東海地震は西側にある駿河トラフでの歪みの解放が原因とされるのである。ここにたまる歪みは、ある年限で限界に達し、やがて解放される。関東に影響の大きい相模トラフの歪みの解放がほぼ 200年周期で起きるとされ、これまでにここで起きた大きな地震は、1703年の元禄地震と1923年の関東大震災である。最後の関東大震災からはまだ77年しかたっておらず、この点からすればまだ当分間がある。ただし、これはマグニチュード8クラスの大地震であって、その中間にはそれより規模の小さい地震は起きうるから安心というわけではないが。

一方、駿河トラフ、それにさらに南のほうに続く南海トラフは、 100-150年で限界に達して歪みが解放される。したがって、ここを震源とする巨大地震は 100-150年周期で起きることになるが、最後の巨大地震は、1944年の東南海地震と1946年の南海地震である。それから50年しかたっていないので、次の巨大地震が起きるにはまだ余裕があるはずだ。しかし、東南海地震の際に、駿河トラフの部分は歪みが解放されずに残っているという説がある。

駿河トラフで最後に歪みが解放されたのは、1854年の安政東海地震だったというのである。だとすれば、駿河湾には 150年にわたる歪みがたまっているわけで、いつ巨大地震が起きても不思議ではない。これが東海地震説の根拠である。フィリピン海プレートが潜り込むとき、ユーラシアプレートが地下へ引きずり込まれる現象が起きることは先に述べたが、事実ユーラシアプレートに乗っている駿河湾の西岸地域は、過去数10年にわたって沈下し続けてきた。たとえば、御前崎は過去20年間に10センチも沈んだ。ところが、90年代に入り、御前崎の沈下が鈍り始め、これがユーラシアプレートの歪みが限界に近づいている証拠だとする意見がある以上「備え有れば憂いなし」地震に限らず何事においても「注意怠らざるべきなり」でありますよ。

以上新たな事柄につづく

参考引用(情報工学)


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